資料説明
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アンモナイトは、殻をもつ生物で、軟体動物の頭足類というタコやイカと同じ仲間である。約4億2千万年前の古生代デボン紀初めに出現し、中生代に恐竜とともに最も栄え、白亜紀末に絶滅した。 犬吠埼灯台の周辺には、中生代白亜紀に海底に堆積した約1億3千万年前から約1億1千万年前の地層が露出している。銚子層群と呼ばれるこの地層は、砂岩と頁岩が交互に堆積しており、「犬吠埼の白亜紀浅海堆積物」として国の天然記念物に指定されている。このアンモナイトは、銚子層群のうち、白亜紀のアプチアン前期(約1億2千万年前)に堆積した犬吠埼層という地層から採集されたものである。 県指定の標本は銚子市立高神小学校に保管されていた(現在は銚子市ジオパーク・芸術センターに保管されている)5標本6点で、全体が残っている標本はないものの、保存状態はよい。いずれも異常巻アンモナイトとも呼ばれているタイプで、殻がきれいな渦巻き様に巻いているものではない。この種類のアンモナイトは、我が国では銚子地域だけで産出する。千葉県内では、大型化石としても最古のものである。
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