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解題・説明
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この板碑は武蔵型板碑で、縦57cm、幅27.5cm で、石質は粘板岩である。山形の頂部で二条線の切り込みがあり、身部の上部は天蓋で飾り、蓮座上に阿弥陀如来の種子であるキリークを大きく彫っている。下には左右に花瓶があって花を挿してある。花瓶の間に弘安9年(1286)7月15 日の紀年銘が刻まれている。
鎌倉時代弘安末年までの板碑は数少なく、市内では2基しか発見されていない。この板碑は中型の大きさであるが、彫りは薬研彫りで深く見事である。下部を欠失しているものの、残存部は傷みも少なく保存状態は良好である。
寺伝によれば、この板碑は江戸時代前期に西福寺と合併した円福寺跡から出土したという。西さい福ふく寺じ の西方200mほどの場所である。西福寺・円福寺とも元は一向宗であったものを、室町時代末期頃に日蓮宗に改宗したと伝える。この伝承の真偽はともかく、板碑は日蓮宗改宗前のものであり、郷土資料としての価値も大きい。
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