[住吉町段丘について]

30 / 706ページ
 函館段丘の下部には、縄文海進に伴う沖積段丘(標高5メートル前後)が存在する所もある。これを住吉町段丘と呼ぶこととする。この堆積物は住吉町付近の例によると、下部から上部に偽層を示し、1メートルの層厚を示す砂層、砂鉄を包含し、極めてよく成層した層厚1.5メートルの砂層から成り立っている。最上部の砂層高度は現海面上4.5メートルあるので、4.5メートルより若干高い高度が当時の海水面であったと推定される。
 函館本線桔梗駅の南西にあたり、函館市と上磯町の境界付近には10~6メートルの平坦面があり、畑地として利用され、6メートル以下の所が水田として利用されていることと明瞭な土地利用の違いを見せている。この10~6メートル平坦面からは縄文早期の遺物が発見されており、高度的にはやや高いが、この平坦面も住吉町段丘に対比される可能性がある。