日本に住む蝶は約190種といわれ、そのうち115種が道内に分布している。当地域で見られる蝶は次の85種で、全国の45%、道産種の74%にあたる。
アゲハチョウ科 ウスバシロチョウ、キアゲハ、アゲハ、オナガアゲハ、カラスアゲハ、ミヤマカラスアゲハ
シロチョウ科 ヒメシロチョウ、エゾヒメシロチョウ、モンキチョウ、ツマキチョウ、モンシロチョウ、スジグロシロチョウ、エゾスジグロシロチョウ、エゾシロチョウ
マダラチョウ科 アサギマダラ
ジャノメチョウ科 ヒメウラナミジャノメ、ベニヒカゲ、ジャノメチョウ、ヒメキマダラヒカゲ、キマダラモドキ、クロヒカゲ、オオヒカゲ、キマダラヒカゲ
タテハチョウ科 ヒョウモンチョウ、コヒョウモン、ミドリヒョウモン、メスグロヒョウモン、クモガタヒョウモン、ウラギンヒョウモン、オオウラギンヒョウモン、ギンボシヒョウモン、ウラギンスジヒョウモン、オオウラギンスジヒョウモン、イチモンジチョウ、コミスジ、フタスジチョウ、アカマダラ、サカハチチョウ、キタテハ、エルタテハ、シータテハ、ルリタテハ、キベリタテハ、ヒオドシチョウ、クジャクチョウ、ヒメヒオドシ、ヒメアカタテハ、アカタテハ、コムラサキ
シジミチョウ科 ウラゴマダラシジミ、ウラキンシジミ、アカシジミ、オナガシジミ、ミズイロオナガシジミ、ウスイロオナガシジミ、ウラミスジシジミ、ムモンアカシジミ、オオミドリシジミ、エゾミドリシジミ、ジョウザンミドリシジミ、ウラジロミドリシジミ、ミドリシジミ、アイノミドリシジミ、メスアカミドリシジミ、トラフシジミ、カラスシジミ、コツバメ、ゴイシシジミ、ベニシジミ、ジョウザンシジミ、カバイロシジミ、ゴマシジミ、ルリシジミ、スギタニルリシジミ、ツバメシジミ、シジミチョウ
セセリチョウ科 ミヤマセセリ、キバネセセリ、ギンイチモンジセセリ、スジグロチャバネセセリ、ヘリグロチャバネセセリ、コキマダラセセリ、コチャバネセセリ、オオチャバネセセリ、イチモンジセセリ
以上のうち、次の6種は本州では普通種であるが、当地域では珍らしい稀(き)種である。
マダラチョウ科 アサギマダラ
タテハチョウ科 コヒョウモン、メスグロヒョウモン
シジミチョウ科 オナガシジミ、ウスイロオナガシジミ、ウラナミシジミ
また、次の6種は寒地要素で、当地域をもって分布の南限とするものである。
シロチョウ科 エゾヒメシロチョウ、エゾスジグロシロチョウ、エゾシロチョウ
タテハチョウ科 アカマダラ
シジミチョウ科 ジョウザンシジミ、カバイロシジミ
その他の79種は本州との共通種で、当地域に分布する蝶の93%を占めている。つまり、当地域の蝶相は東北北部とほとんど同じであり、蝶相に関しては津軽海峡の境界的意義は考えられない。しかし、渡島半島を北上するにつれて、本州要素は漸減傾向を示し、石狩低地帯(河野ライン)に至って、寒地要素のホソバヒョウモン、カラフトヒョウモン、などが出現してくる。