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 11月上旬、そろそろ初雪があって北海道は長い冬に入るが、函館の11月前半はまだ秋の色が濃く、時折り暖かい日和を楽しめることが多くあって、冬とはいえないかもしれない。
 しかし、11月後半になると、時として本格的な冬を思わせるような降雪に見舞われることもあるが、積雪としては多くなることはない。このあと2月いっぱいまでは北西季節風の最盛期となり、本格的冬の季節となる。だが、この北西季節風は連日吹きすさぶわけではなく、大体5日ないし10日くらいの周期で強弱を繰り返すのが普通である。すなわち、北西の季節風が衰えて比較的穏やかになったと思うと、間もなく日本海に低気圧が現れて本道に接近し、気温は上昇してくる。
 低気圧が通過するまでは降雪があり、普通は風はさほどの強まりをみせないが、寒冷前線の通過とともに北西の季節風に乗って寒波が押し寄せ、これとともに気温は急降し、風は一段と強まって吹雪となり、これが数日間続くのが常である。
 風は10から15メートルに達するのは珍しいことではなく、ことに大陸の高気圧が優勢で、低気圧の発達も急激なときは15メートルから20メートルを超えることもある。
 もっとも、函館では北西の季節風に対して渡島半島を南北に縦断する山系がこれを阻害しているので、表日本のような天候を示すこともあり、雪日数も積雪の量も少なく、12月に入ってからも、雪が積っては解け、積っては解けを繰返し、時として1月になっても地面の現われていることもあるほどである。
 積雪の最深は1月から2月にかけて多く見られ、30ないし40センチメートル位である。
 気温の最低は12月から1月に見られることが多いが、氷点下15度より降下することは少なく、冬期間のうち、1日の最高気温が零度に達しない日、いわゆる真冬日は平均して40日前後となっている。