永享の鰐口

323 ~ 324 / 706ページ

永享の鰐口(石崎八幡宮)

 更に北海道における最も古い金石文として、本市銭亀沢町の石崎八幡宮に残される鰐口がある。これには「奉寄進夷島脇沢山神御宝前 永享十一年三月日 施主平氏盛阿弥敬白」と刻まれているが、これは文化10(1813)年ころ、この脇ノ沢の山神社社地から掘出されたものともいわれており、もしそうだとすれば、永享11(1439)年は、室町時代の中期にあたり、当時この地域には、鰐口をかけるような社をもつだけの集落が形成されていたことを示すものである。ともかく函館付近には古くから本州人の足跡が印されていたのである。