[第1節 松前家復領と藩政]

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 幕府の蝦夷地直轄は、前章に述べたように鋭意松前藩の旧弊を改革し、原住民であるアイヌの撫育・教導ならびに施設も整え、産業も画期的な発展をみせるに至った。それは幕府が、蝦夷地における外患侵略に備え、それを強化するため住民を同化せしめ、組織的な封建政治の確立を図り、それによって蝦夷地における支配体制の推進を図ったのである。