当代の寺子屋

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 当代の寺子屋については、以前から継続しているものもあるが、文部省がかつて集録大成したという『日本教育史料』によると、学制頒布前に存在した箱館の寺子屋、手習師匠は次のようになっている。
 
名称学科所在地創業習字師氏名身分
藤村堂  読書鍛冶町嘉永元佐々木作右衛門  平民  
猨山読書末広町嘉永三森菊三郎平民
若山堂読書算術  茶屋町安政四若山保平
日新堂読書地蔵町  慶応元  久慈柳治
 読書算術大黒町慶応ニ富原九一郎
 読書算術船見町明治二十津川五仙平民
 読書地蔵町明治ニ杉山金左衛門
冠光堂読者明治三若松町野口貞翁

 
 このうち森菊三郎の寺子屋はすでに文化年間の末からあったらしく、また若山堂若山保平は太蔵以来3代目といい、富原九一郎も2代目であるといわれる。
 この時代も寺子屋は読み方や手習い程度のものであり、特に教育の理念を明らかにした、いわゆる学風といったものは見られない。しかし当時、前述のごとく心学道話が盛んに行われ、奉行所もこれを奨励しているから、師匠によっては、あるいはそれらの思想を背景とした徳行教育が若干見られていたのではないかと思われる。