ばん馬競争
亀田の馬は、田畑を耕作する農耕用、農作物や肥料を運ぶ運搬用として馬力の強い馬が要求された。そこで、馬の力くらべ、ばん馬競走がにぎやかに行われた。はじめのころは園田牧場内の馬場で行われていたが、桔梗の守田家の下の草原でも行われた。そのほか、五稜郭公園の裏、豊(ゆたか)湯のそば、亀田八幡宮の境内、亀田消防署のそばなど、あちこちと場所をかえては年に一、二回開かれた。出場馬は一〇〇頭以上を数え、体格によって、甲乙丙の三段階と三歳以下の若駒の部とし、更に乙丙は一組から三組まで分けた。第一日目は平場(ひらば)といって平坦な所で予選会を行い、翌日は優勝旗とりといって決勝を行った。二日目は一、二箇所に障害になる坂をつくってそこを乗り切る障害走が行われた。
賞品はたいしたことはなかったが、勝てば一躍馬の値段が上がるので力が入ったという。酒を飲んで応援するうちにけんかが始まるし、勝てば勝ったで夜は盛大な反省会というわけで、農民のいいレクリエーションでもあった。