外地引揚者・復員者援護

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 昭和三十一年六月十日より六月末までの間で、外地引揚者の在外事実調査が行われているが、この調査の目的は、在外財産問題審議会の審議資料を得るためのものであって、調査対象は、昭和二十年八月九日現在において、本邦以外の地域に住居を有していた者で、二十年九月二日以降本邦に引揚げ、この調査の行われる日現在で、本邦に居住する引揚者が対象となる。(終戦時軍人、軍属は除く。ただし外地で軍人、軍属になった現地応召者は引揚者とする。)
 この引揚者在外事実調査が行われた結果に基づき、三十二年八月から給付金の支給がはじまった。給付金は年齢区分によって最高二万八、〇〇〇円までとなっている。なお支給対象該当者は次のとおりである。
 
一 終戦時外地に住居を有しており、公務員またはその他やむを得ない理由で、たまたま本邦に滞在中終戦により、そのまま本邦にあるもの。
 
二 樺太千島・朝鮮に住居を有していて、昭和二十年八月九日から同年九月一日までに本邦に引揚げた者。なお本調査は引揚者(準引揚者も含む)の終戦時の世帯を単位に行うことになっている。昭和二十七年三月三十一日現在での外地引揚者、復員者数並びに引揚無縁故住宅などの状況については次のとおりである。
(ア) 引揚復員者数 (昭和二七年三月三一日現在)

引揚復員者数(昭和二七年三月三一日現在)

(イ) 引揚無縁故住宅 (昭和二七年三月三一日現在)
  所 在  亀田村字本町四八の五 一棟 五戸建 三七・五坪
  世 帯  五世帯   収容人員 二五家族
 
 引揚者給付金と遺族給付金(終戦後外地で死亡した人の遺族・引揚後内地で死亡した人の遺族)は、三十二年八月から請求事務を開始しているが、何分にも引揚げ後十余年を経ているので、引揚げ事実証明資料あるいは六か月以上外地生活根拠事実証明資料などの入手が困難なため、これらの給付金請求手続をしていない引揚者が多いことから、三十三年からは、このような証明資料のない場合の処置として、
 
・引揚げ当時の隣家の人の証明
・知人あるいは引揚者援護従事民生委員の証明
 
などの資料をもって給付金請求が出来るようになった。
 このような給付金請求手続きの簡易措置がなされたが、未請求者多数(全国的)という実情より、昭和三十五年五月十六日をもって請求権は時効となる予定であったが、期限一か年延長の措置がなされた。
 本村においては、当初給付金件数を三五〇人と予定して受付を開始したのであったが、三十五年六月十五日現在までに引揚者給付金二七一件、遺族給付金六〇件の計三三一件を受理している。