目次
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第二章 自然環境と地域との相互連関
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第一節 銭亀沢をめぐる函館周辺の地形環境
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四 「銭亀沢火砕流」の噴出とその前後(氷期)の気候環境
「銭亀沢火砕流」堆積前後の自然環境
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「銭亀沢火砕流」が噴出した約四万年前といえば、最終氷期(ヴュルム氷期)の中でも寒冷化の最盛期に向かう頃で、現在よりはかなり冷涼な気候であったとされる。銭亀沢では火砕流によって埋没した樹木も見つかっているが、当時の環境を復元するには、花粉化石が堆積物の中に保存されているとよい手がかりとなる。近年、比較的に良好な保存例が豊原の土採り現場と海岸部の
戸井町
小安
で見つかり、環境復元が試みられている(鴈沢ほか、1990・紀藤ほか、1993)。