「銭亀沢火砕流」堆積前後の自然環境

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 「銭亀沢火砕流」が噴出した約四万年前といえば、最終氷期(ヴュルム氷期)の中でも寒冷化の最盛期に向かう頃で、現在よりはかなり冷涼な気候であったとされる。銭亀沢では火砕流によって埋没した樹木も見つかっているが、当時の環境を復元するには、花粉化石が堆積物の中に保存されているとよい手がかりとなる。近年、比較的に良好な保存例が豊原の土採り現場と海岸部の戸井町小安で見つかり、環境復元が試みられている(鴈沢ほか、1990・紀藤ほか、1993)。