〈平成二年十月二十四日の高波〉

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 台風第二三号が本州の東海上を北上し、北海道南東海上で温帯低気圧に変わり、二十四日には千島の東に達した(図2・2・17)。台風から一〇〇〇キロメートル以上も離れた渡島地方は、天気の崩れもなく、移動性高気圧に覆われた穏やかな秋晴れの朝であった。しかし、知内の海岸では夜明け前から急激に波が高くなり、満潮と重なった七時前には高波が防波堤を越えた。銭亀沢地区でも、五時から六時にかけて五メートルぐらいの高波となり、五〇トン級のクレーンが防波堤上から海中に転落。漁船も破損・流失四隻の被害となった。

図2・2・17 平成2年10月24日09時の天気図


台風第23号による高波(志海苔漁港・平成2年10月24日)北海道新聞社提供