[明治期の漁業生産と経済構造]

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 ここでいう銭亀沢村とは、明治三十五(一九〇二)年四月一日、二級町村制の施行によって、四か村(旧石崎村、旧銭亀沢村、旧志苔村、旧根崎村)が合併して成立した銭亀沢村のことで、今日の銭亀沢地区である。この地域は、一三世紀中期以後、本州からの和人の移住者によって開かれたもので、明治初期には、それぞれ独自の地域社会を構成して、村落ごとに漁場を区画し、昆布(こんぶ)採取業や各種の漁業に従事していた(第一章第一節参照)。
 まず、『函館県統計表』(明治十九年)はじめ、当時の官庁出版物によって、これら村落の明治期の漁業概況を整理しておこう。