漁民戸数と漁民の状態

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 明治十六年末の村落別漁業戸数は、表3・1・1にみられるように、石崎村が一二二戸と最も多く、次いで銭亀沢村が一一五戸、志苔村七〇戸、根崎村五二戸である。村落別の漁人すなわち漁業従事者数は、石崎村四八四人、銭亀沢村一五八人、根崎村一二五人、志苔村九二人で、一戸当たり家族従事者は、石崎村で三・九人、根崎村で二・四人と他地区に比べて多いのが目立っている。その内実は明らかでないが、この時期、両村が、優良な昆布生産地とされていたことからみて、昆布採取に必要な労働力を家庭内に保留していたことがうかがわれる。また、根崎以外の各村落では多数の漁期雇人を雇用しているが、主に鰯(いわし)漁業に従事する入稼者とみられる。

表3.1.1 村落別漁業戸数と漁業従事者数