八幡神社(志海苔町)

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 天正年中(一五七三から一五九一)の勧進と伝えられ、銭亀地区でも古い沿革を持つ神社である。志苔館主小林氏の当社創建にかかる伝承は、勧進の時期とは一致しないが、永正九(一五一二)年の永正の乱以前の信仰を継承している可能性がある。
 文献では、嘉永三(一八五〇)年の「蝦夷日誌」に志海苔の産神社とあるのが八幡神社の初見で、「蝦夷実地検考録」(『函館市史』史料編第一巻)によると、安永五(一七七六)年に再建されたという。この一八世紀後半は、字志苔に干場割渡が急速に展開した時期であり、とくに社地の南側の開発がおこなわれたから、八幡神社の再営は、志海苔の一村としての発展と大きくかかわっていたものと思われる。
 社地は、志海苔川西岸の丘陵上に位置している。現在の社殿は、昭和二十四(一九四九)年に改築されたもので、側廻りの一部は平成七(一九九五)年に改修されている。

八幡神社(志海苔町)