狐の嫁入り

438 ~ 438 / 521ページ
 汐首崎から石崎小安、釜谷にかけての山を高山といって、晩になれば明しが点く。提灯ががらっと点いてつながって見える。「そら、狐の嫁入りだ」といったものだ。今なら全然見たことない。五〇年も昔、終戦前の話だ(蛯子直太郎談)。
 狐の嫁入りと呼ばれる現象は「狐火」ともいわれる。人を化かすと考えられるものは狐ばかりでなくムジナと呼ばれるものもいる。新湊にはムジナの名の付いたムジナ沢川が流れている。盗難にあった話も多い。