恵山地域は、亀田半島における鉱床(こうしょう)(金属鉱床・非金属鉱床・温泉・地熱・石材など)密集地帯の1つで、先第三紀から新第三紀さらに第四紀にわたって生成した、多種多様な地下資源(鉱産(こうさん)資源)が賦存(ふぞん)されている。
第5節では恵山の鉱産資源として代表的な硫黄・砂鉄をはじめとする各種の鉱産資源と、温泉資源および土地資源としての土壌、特に農用地の土壌の分類と性質について概説する
鉱産資源のうち、硫黄および砂鉄は、開発の歴史が非常に古く、江戸末期にすでに採掘がはじめられていた。以降、休止期間はあったが、硫黄は昭和42年(1967年)春まで採掘され、砂鉄は昭和47年(1972年)まで採掘が続けられた。また、銅・鉛・亜鉛・金銀・硫化鉄・アンチモニーなどについても、探鉱の歴史は古い。しかし、これらの鉱種については、鉱床の規模が小さかったため、本格的な開発は行われていない。現在、採掘されている鉱産資源は尻岸内川中流の大理石で、工芸品に加工されたり造園の石材などに利用されている。
なお、恵山地域は、鉱産資源のみならず温泉資源に恵まれ、恵山火山周辺には、現在の硫気活動に起因する硫黄泉〜硫黄質鉄泉と、直接関係のない炭酸泉・単純泉などが数多く湧出(ゆうしゅつ)している。