(3) 古武井、日ノ浜地区(調査期間‥昭和58年9月〜59年8月)

154 ~ 156 / 1483ページ
 日ノ浜地区の基点は古武井尻岸内漁業協同組合の境界線から100メートル古武井側とし、これより海岸線に沿つて100メートル間隔でオッケに5点を定めた。これらの定点より磁針方位で120度に6調査線を設けた。また古武井地区の調査は、日ノ浜と古武井の境界線を基点とし、海岸線に沿って100メートル間隔に定点を設け、磁針方位173〜200度に17調査線を定めた。
 これらの各調査線上に汀線を基点として25メートル間隔に調査点を定めた。なお、調査点はおおむね水深20メートルまでとし、日ノ浜地区で94地点、古武井地区で263地点の計357地点を定めた。これらの各調査地点において、スキューバ潜水により1×1メートルの方形枠を置き、枠内の微細地形の記録を行った。この地区では8つの底質型に類型化を行なった。すなわち、日浦地区の7つにさらに次の底質型を加えた。
 S・Se型:砂礫底で転石が点在している

図3-11

 その結果を図3−11に、これら両地区の底質分布を模式的に示した。日ノ浜地区は1〜5線にかけて平磯が距岸距離25〜100メートル付近まで張り出している。この沖合の底質をみると、Z線−0〜50メートルから3線−50メートルにかけてSg型底質が分布し、この沖側の2線−50〜250メートルから3線−150メートルにかけてR型底質が発達している。これらのSg型とR型底質に寄り添うようにしてS・Se型が4線−25メートルから2線−200メートルに分布しており、処々にS・Sg型底質が存在する。また、R・S型底質が6線−350〜375メートル付近にみられたが、上記した地帯を除き全てS型底質となっている。古武井地区の底質は、類型化した8型の全てが出現する複雑な底質型である。
 Sg型系(Sg型とS・Sg型)の底質は6線−0メートルから5線−75〜150メートルに入り込み、7線−200メートルから9線−250メートルを走り、10線−25メートルから12線−150メートルを通り抜けながら13線の汀線まで続く。また、Sg型系は15線−75〜400メートル付近と16〜17線の0〜300メートルの間にも分布する。R・S型底質は12線−150メートルのSg型系と隣接しながら14線−0〜300メートルにかけて存在する。これらのSg型系底質とR・S型底質を包括するように、Se型系(Se型とS・Se型)の底質が分布する。しかし、Se型系底質の沖側は1線−50メートルから2線−200メートルを通り、14線までの距岸距離150〜350メートルに走るS型底質と境をつくる。
 日ノ浜地区と古武井地区の各底質型の面積と占有割合については、日ノ浜地区はS型底質が17.8ヘクタール、81.7パーセントを占め、次いでR型底質が1.4ヘクタールの6.3パーセント、その他は1ヘクタール以下であった。古武井地区はS型底質が29.1ヘクタール(38.1%)、S・Se型底質が15.9ヘクタール(20.8%)、Sg型底質が11.3ヘクタール(14.7%)、Se,RS型底質がそれぞれ6.6ヘクタール(8.7%)、S・Sg型底質16.4ヘクタール(8.3%)と続き、残る3型の底質は1.0ヘクタール以下であった。