昭和55年(1980年)豊浦・日浦間のトンネルいよいよ着工

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 昭和48年(1973)の日浦・原木間の日浦トンネル開通後7年を経過し、豊浦・日浦間のトンネルがようやく着工の運びとなり、昭和55年11月25日、豊浦側入口予定地で工事安全を祈願し修祓式が行われた。地元代表として参列した三好町長は「本トンネルの建設は本町のみならず、沿線(国道278号)の人々にとって長年の懸案事項でありましたので、本当にうれしい。開発建設部はじめ関係庁のご援助に心から敬意を表するとともに、1日も早い完成を祈ります」と喜び溢れる挨拶をしている。
 下海岸道路の豊浦・原木間は、「道南金剛」と名付けられた柱状節理の奇岩絶壁と、素掘りの隧道「日浦洞門」が連なる、東渡島随一の美しい海岸線であるが、一方、曲がりくねった道路、高波に洗われる路面、降雨による落石等々、運転手泣かせの最も危険な区間として危惧もされてきた。この路線も昭和44年(1969)戸井トンネル(延長250メートル)の開通、昭和45年(1970)国道昇格以降、48年(1973)の日浦トンネル、50年(1975)武井トンネル(延長128メートル)の開通など漸次整備は進んできたが、国道としては、なんとしても豊浦・日浦間の最大の難所が解消しなければならなかったのである。
 この(仮称)豊浦トンネルは、延長1,355メートルで日浦側と豊浦側の出入口がややカーブを描き中間が直線となる設計で、総体の工事費が約30億円、工期は4年後の昭和59年度には完了の見込みである。
 また、トンネル豊浦側口から女那川までをバイパス路線とする計画であった。

廃道となった道道(原木・日浦間)平成七年撮影


ドサンコも通った道道(原木・日浦間)昭和三〇年代か


日浦トンネル(812m)原木口から