戸井が繁栄した時代の漁獲物は、イワシ、マグロ、ブリが主体であり、
昆布、イカなどは従であった。然し戸井の黄金時代を築いたイワシ漁もなくなり、マグロやブリ漁も昔の面影がなくなり、一攫千金という漁業は昔の夢となり、
昆布とイカが主体となり、漁獲物が多種多様になり、その規模も零細化してきている。最近は生活様式が変り、生活費がかかるようになったため、漁業だけでは生活困難を来(きた)すようになり、漁業会社に雇(やと)われて遠く北洋やアフリカまで出稼ぎに行く者や道内や本州方面の土木、建築関係の仕事に出稼ぎに行く者が年々増加している。それらの人々は、
昆布漁とイカ漁が終ると殆んど町外に出、正月過ぎると町には若い男の人がいないという期間が半年も続くのである。
漁獲の多少にかかわらず、
戸井町の沿岸或は近海で漁獲されるものの種類、漁期、漁具、漁法などのあらましを述べてみたい。
養殖昆布の収穫
昆布の製品
指導船“とい”
釜谷漁港