『津軽一統誌』寛文十年(一六七〇)の記事によれば、「屋しろ浜」又は「やしろの浜」と記されてあり、同書の地図(別系統で伝書されたもの)では、「矢シリ」と記されたものもある。また寛政三年(一七九一)菅江真澄の『えぞのてぶり』では、「箭尻浜」と記されているなど、矢尻浜に関しては種々の地名が見られる。なお『北海道蝦夷語地名解』の説明によると次のように記されている。「アイヌ語でアシリベツ、新川、和人『ヤシリベツ』ト訛り、遂に石斧と附会シテ鏃川ナリト伝フハ非ナリ」となっているが、矢尻浜の地名由来については、現在の史料では断定できない。