絵紙山3遺跡

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 絵紙川上流で標高百五十メートルに遺跡がある。稲垣利行氏の住宅の裏手にあたる遺跡で、椎葺栽培をするため広くない平坦地を削って整地したとき土器や石器が出土したという。この整地跡にはいまでも土器片が採集できる。通称開拓道路に面している稲垣氏の家屋は沢で飲料に適する水が流れている。この沢から上がトド松、エゾ松の植林地帯であるが、この一段高い場所が遺跡である。両側が沢で区切られた幅七十メートル、奥行六十メートルでゆるやかな勾配がある。地層は山ぎわで地表から二十五センチメートルに黒褐色土層があり、その下部に黒色の厚さ三十センチメートルほどの層が遺物包合層である。その下に黄褐色土層と続いている。
 採集したバチ形の石器や土器をみると縄文前期の円筒下層式土器、縄文中期後半の余市式土器、縄文後期の無文土器などがある。整地した面に焼土と木炭があり、住居の炉跡であったところから、このような山間の地にも三つの時期に人が生活していたことがわかる。友田彦一郎氏が発見した遺跡である。