昭和十年

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 この年、烏賊・鰮が不漁のため村内に生活困窮者が多くなり、漁業組合では白米の現物貸付をはじめる。詳しい統計は残されていないが、村内の約三分の一は普段よりかなり経済状態が悪化していたと云われている。この年水無で硫黄の採掘が開始されたので、ここの人夫稼と千島方面への出稼で何んとかこの年を乗り切ったと云われている。
 昭和十年は椴法華村民にとって、経済的にはやや苦しい年であったが、役場や学校の建物が整えられ、恵山が景勝地に指定されるなど明るいニュースもあった年であった。
・八月二日 恵山景勝地に指定。
・九月六日 椴法華村役場庁舎並びに椴法華尋常高等小学校屋内体操場竣功。
・十二月白神から竜飛へ津軽要塞地大拡大。