村用掛は、はじめ開拓使函館支庁民事課戸籍係によって任命されていたが、いつのころからかはっきりしないが、村内の戸主の投票によって選ばれるようになった。
明治十二年五月の函館支庁民事課の布達によれば、村用掛の選出について次のように定められている。
『上局取裁録』(北海道蔵)
甲第拾壱号 戸籍係
九等属 桜庭為四郎調
村用係並総代人選挙の件
從来各村々用係撰挙之儀ハ村中協議之上願出来候得共、其協議タルヤ有名無実に陥リ候テハ不都合ニ付向來村用係撰挙ハ勿論一同ノ所見ヲ採リ候節、必ス該区担当ノ正副戸長ノ内壱名該村ヘ出張戸長ノ面前ニ於テ投票セシメ右終ルノ後戸長ハ投票人ト面前ニテ之ヲ開緘当否ヲ定ムヘシ、当村用係を撰定スルノ時ニ當リテハ投票ノ当否ヲ査シ村用係タルヲ得サルモノアル時ハ順次投票ノ多數ヲ採リ戸長ヨリ具状候様可レ致依テ取扱向心得仮定スル左之通
一 明治十一年六月乙第拾九号本使布達総代人撰挙法第二条第壱第弐第三項ノモノ並教導職被雇人等ハ村用係タルヲ得ス。
一 撰挙人ハ弐拾年以上ノ男子ニシテ前条ニ掲ケタル第一第二第三項ノホカニ然サルモノトス。
一 村用係撰択其他投票セルトスル場合ニ於テハ豫メ日數ヲ計リ前以村内ニ報告シ、日限戸籍係ヘ通報スヘシ、投票ノ当日係臨時立合可致又數村ニ渉タル事件ハ投票者日差閊無之様日割シ同様取計可申候
右之趣旨区内一同ヘ兼テ心得サセ置可申此旨及御通達候也。
函館民事課戸籍係
明治十二年五月十四日
第十三区第十七・第十八・第十九・第十八大区壱小区扱所
名大区役所
なおこのようにして選定されていた村用係は、明治十三年一月五日廃止されている。
「明治十三年郡区改正参考」(北海道蔵)は椴法華村の村費の内譲について次のように記している。
明治十一年中小安村外三ヶ村費用調
椴法華村 戸数七拾三戸
一 金百五拾六圓也
此内訳
金五拾五圓 村用係年給
金四拾五圓 書記年給
金二拾五圓 小使年給
金 八圓 村用係出函及扱所へ出頭賄料
金 拾圓 筆墨紙料
金 拾三圓 帳簿炭油蠟燭其他雑費