昭和四十五年村長の施政方針(村長 長政友一)

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 (昭和四十五年椴法華村議会々議録を参考とする。)
 村長--本日ここに昭和四十五年第一回定例議会を招集し新年度各会計予算提出に当たり、私の考えておりますことと財政の基本的方針を述べまして皆様のご協力をお願い申し上げます。いまさら申すまでもなく村行政は第一に住民の福祉向上を推進しなければならないと思います。住民の正しいご意見と建設的なご意見をいただき住民の要望に努力を払い住みよい村づくりに邁進する覚悟でございます。
 住民の代表であります議会の皆様との親和を図り正しい判別のもとに適切な行財政の計画を樹立し一歩一歩着実に行政を執行して参る所存であります。
 財政力で申しますと全道で最下位でございます。
 健全財政を維持するため関係官庁と折衝の上外資の導入に努めます。
 予算の構成割合を申しますと七十一・二%が地方交付税、八・五%が国・道の支出金であります。村税は九・五%このうち直接住民から納めていただく村民税・純固定資産税合算して四百六十四万円でございます。財政力は低く面積も小さくまた人口も少ないのですが皆様はじめ村民のご協力によりまして他町村に遅れをとらないよう仕事を進めて参っております。
 一般会計予算内容の大綱を申し上げます。
 健全財政を維持するため単年度において赤字の生じないよう心掛けております。
 まず産業基盤であります道路の整備・水無線の改良・側溝・河川道路護岸の増改良、漁業については生産の安定性を求めるため浅海増殖の拡大に努めながら浅海資源の涵養のため前年に引続きブロック投入・自然石の投入・岩礁爆破・銚子地区に共同船揚場の新設、次に計画している主なものとしまして水無地区に公衆便所の新設、商工中小企業資金融資のため百万円の出資を予定しております。
 これにより四百万円の融資を受けられます。保健衛生では結核予防・ガン対策・婦人科検診等について渡島保健所の保健婦巡回、火葬場の新設、住民の財産と人命を火災から守るため昨年に引続き防火水槽三基新設、小学校校舎の補修、グランドの整地、住宅の塗装・教員住宅の新築。
 次に水道会計ですが水道の普及率、村としては、北海道一であります。四十五年度から三ヵ年計画で工事を施行いたしますが、目下着々設計準備を進めております。
 次に国保会計ですが残念なことに受診率が十%増高しており、加えて長期の患者が多く医療費も二十%増高しているため四十五年度においては多少の増税を余儀なくされております。国民宿舎会計については一般会計より百八十八万円繰出しを見ておりますが、これは起債償還金の一部に充るものであります。また昨年は大広間・道路とも完成しお蔭様で観光客も年々増加しておりますので本年は観光客も相当入り込むものと思っておりますが本州方面への宣伝隊派遣も計画しております。経営内容も順調で軌道に乗りましたがなお一層のお力添えをお願い申し上げます。
 以上施政の方針を申し上げましたが何卒慎重ご審議の程宜敷お願い申し上げます。