明治六年十二月二十一日夜、椴法華より新鱈を積入れ出航した函館小川五助所有の元一丸、大時化のため椴法華村カジカ岩付近で沈没する。
明治六年戸井往復、民事課
荷主、梅谷吉五郎、三十二歳二ヶ月
右申口
當月廿一日夜椴法花海岸ニ於而元一丸及破舩候段御訴奉申上候ニ付御儉仕被成御出張右始末柄御吟味ニ御座候。
此段申上候私儀當月三日新鱈荷物手配之為メ椴法花江罷越能戸勘右衛門方江止宿去ル四日新鱈弐百四拾束買入去ル十九日雇舟元一丸江積被込村用掛御改ヲ請書面沖舩頭寅吉江相渡し同午後六時同所出帆為致候而私儀翌日椴法花出立帰凾仕當廿日迄元一丸之着舩ヲ相居候得共一向不相分依て種々心配仁同日午後五時凾館出立翌廿三日椴法花江罷越様子承り候処去ル廿一日夜當村ニ於而及破船候仕末り打驚早速破船場所江罷越見分仕候