明治十九年十二月二十六日 函館新聞
鰮大群来
亀田郡沿海根崎村より椴法華村に至る各村鰮は、はなはだ不漁にして是迄沖合に群来せるをもたえて見ざりしやさき、至って悪しく追々納屋等を取片付し向きもありしが図らず去る十七日夕景より、椴法華沖合へ非常に群集せしを見る然りといへども容易に前浜に群集せざるを眺め居りしが然る該魚は同村沖合より根田内・古武井両村の沖合迄引続き群集せしが、同二十日同所前浜へ寄り附きたるを以て拾ひ鰮其他とも同村に於いて捕獲せるもの五〇〇石………
この年はこの記事の時が最大の大漁であり全体的には不漁であった。