(昭和五十六年椴法華村総合計画より抜粋)
・商工業の現況
椴法華村には、昭和五十四年現在、商店三十七店と工業の事業所五軒があり、これは過疎化のはじまる前の昭和四十年代前半とほとんど同数であるが、これまでの過疎化の進行にもかかわらず、村民の所得水準の向上や消費生活の進行に伴って購買力の増加によって、販売額が着実に伸びてきていることを示している。
商業の販売額は、昭和四十一年に総額で一億五千万円であったものが、昭和五十四年に実に五・二六倍の、七億八千九百万円と増加している。
しかし、近年のモータリゼーションの発達と昭和四十八年秋の石油事情悪化による、漁船用A重油やガソリンなどの高騰による、石油類販売部門の占める割合が高く、住民の買物圏が近郊都市である函館市へ移行しつつあり、今後、村内での購買力の低下は必至である。
また工業については、本村の主産業である水産業との関連で、造船所三軒、鉄工所が二軒あるが、大半が家内工業で、工業出荷額は水産業の衰退傾向と、漁船、漁具の近代化、大型化によって、過去十年間の伸びは六%にとどまっている。