明治十九年六月十六日付函館新聞は貨物輸送費について次のように報じている。
明治十九年六月十六日 函館新聞
水産商副取締 小川幸兵衛
當組合総会議ニ於テ左ノ通地廻リ大和形船小廻船運賃金取究メ候間此段関係ノ諸君エ広告ス、但詳細ノ儀ハ當事務所ニ就テ閲覧アレ、
一、函館港ゟ日浦村迄
上リ運賃百石ニ付 金二拾円
下り 〃 金拾五円
一、函館ゟ根田内村迄
上り運賃百石ニ付 金二拾円
下り 〃 金拾六円
一、函館ゟ熊泊村迄
上り運賃百石ニ付 金二拾七円
下リ 〃 金二拾円
一、年々十二月ヨリ二月迄則三ケ月間ハ右運賃金額ヘ三割増金ノ事魚油四斗入八百五十丁ヲ以テ百石ト定其割合ヲ以テ送賃金ノ積算スルコト。
一、海産物ノ内地廻リアラ巻ハ撰塩切及ヒ並品トモ込ミ一本ニ付運賃金六厘宛ノ積算ヲ以テ定メ尤此アラ巻ハ寒中ト雖モ割増ナシ。
一、地廻リ新鱈一本ニ付五厘宛是モ寒中ト雖モ割増ナシ。
一、椴法花産塩鰤百石二千本ヲ以テ積算ス也。百石ニ付椴法花村ゟ函館迄ノ運賃三拾二円ト一定ス而シテ十二月ゟ二月迄三ケ月間ハ、運賃金二拾七円ヘ三割増也。