寛政三年(一七九一)この地を通過した、菅江真澄は「えぞのてぶり」の中でカムイ岩にまつわる話をつぎのように書いている。
銚子崎の岩の上に、アイヌ人の立っているように見える岩があり、これをアイヌ人達はシュマカムイ(石の神様)といって恐れ敬つている。昔九郎判官義経が此岩かげに、かくれていたのを追って来たアイヌ人達が発見し驚きあわて、弓矢を投げすて身をふるわせて逃げたという言い伝えがあるという。
また、夜舟に乗り、雲や霧が深くたち込め、方向を失なった時は、イナオ(木幣)を立て、ひたすら、シュマカムイに祈願すれば、カムイ岩の岩上に火柱が立ち針路を示してくれると、真澄の乗った舟を漕ぐアイヌ人が語ってくれた。
カムイ岩(昭和51年)