『戸井町史』によれば明治二十三年四月に、椴法華村に巡査駐在所が設置されたと記されているが、このとき村に常駐の巡査が置かれたのではなく、必要に応じて来村し巡査駐在所(休憩所)で事務及び休憩をとったものである。
なおこの当時他村においては、駐在所が設置された場合、土地は村が提供し、建物や使用する薪や油は住民が負担することが通例となっており、従って駐在所が設置された背景には、住民の強い希望があったものと考えられる。また大正七年の『椴法華郷土史』によれば「巡査駐在所字矢尻浜明治二十年戸井分署ヨリ派出セラル」と記されてあり、前述の戸井町史と巡査駐在所の設置年月日が異なっている。