古武井の山岳崩壊

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 明治三十七年九月十七日、古武井二股押野硫黄鉱山坑夫長屋裏山崩壊する。この時の様子を当時の新聞は次のように記す。
 
   明治三十七年九月二十五日 北海タイムス
  ○各地出水被害報告
   去る十七・十八日兩日に於ける各地方の出水被害に付昨日道廳へ報告到達したる部分を記せば左の如し。
  ▲戸井分署
   尻岸内村にては十七日の降雨にて字古武井二股押野貞次郎所有硫黄鑛内に建設しある坑夫の四戸長屋裏手の山同日午後七時半頃俄然崩壊し坑夫岩中安太郎の居宅を倒壊し安太郎及妻岩手廳岩手郡澁民村平民坂本ヨシ(明治九年生)二名を土中に埋没し數十名を以て之れを掘出せしも遂に絶息し安太郎は負傷せり他の三戸も殆んど半潰となれり。