〔江戸時代の海難〕

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 船は大海の中の木の葉のようなものであり、世間ではよく『板子一枚下の世界は地獄などという』。こんな危険があっても、江戸時代の水主(かこ)(船乗)達は海上の航路を開き、文化の伝播・商品の流通に生きた。漁師達もまた鮭・鰤・鰊・昆布等の漁業に生き、常に破船の危険を背にしながら自分達の仕事に励んだ。
 しかしこうした海の男の生活の場の陰には海難があった。現在判明している部分だけではあるが、津軽海峡をはさみ恵山岬・尻屋崎周辺で発生した海難の状況を、今後の何らかの役にでも立てばと記すことにする。