函館の小廻船沈没

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   明治二十三年三月十一日 函館新聞
  ○小廻船の沈没
   一昨九日午后三時頃石崎村沖合にて小廻船沈沒せり同船ハ下の釜屋村よりメ粕三十五本積みたりしが二人の乘組員は無事なりと云ふ荷主は地藏町二印○ウ印の両家なりと。
 
   明治二十三年三月十三日 函館新聞
  ○難破船
   當區蓬萊町六番地澁谷正次持船の難破したることは過日記戴せしか今聞く處に依れば同船に大島佐助外一人乘組み本月九日亀田郡小安村支釜谷村美安中藏より當區へ向け廻送の委托荷鰯メ粕二十二本大凡二十石餘を搭載して同所を出帆して進航の海上圖らずも暴風に逢ひ同郡志海苔村の沖合に於て終に覆沒し乘組しものは僅かに船底に取りつき波の随(まに)随漂流する折柄當區大黑町十四番地八幡東三郎は小廻船にて航行中之れを認め両人を救助し當浦役場へ右の趣を届出てたりと云ふ。