小木丸の遭難

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   昭和二十一年一月二十五日 北海道新聞
   飛行機出動搜索
     小木丸行方不明に進駐軍協力
   石川縣小木町釣谷武一郎所有第二十一小木丸(五五トン)は中央水産業會函館出張所のチャーター船として船長中町政市以下七名の乗組と茅部尾札部村村民十八名計二十五名を乗せ去る十六日尾札部港を出帆、函館に向ったがその後消息なく、行方不明になったので廿二日尾札部村役場より函館水上署に捜索方を申出た。同署では直ちに各地に手配し捜査に努めてゐるが、二十三日朝に至るも何等手がかりなく遭難當時の状況より見て青森方面へ流されたのではないかと推定されるので同署は廿三日朝、函館地方進駐軍司令部に捜査協力方を要請したところ司令部では快諾、同日直ちに大型飛行機一機を出動させ、青森県・岩手県・金華山沖合附近を廣範圍にわたり捜索したが、同日夕刻までには発見するに至らなかった。なお小木丸には、二・三日分の食糧よりつんでゐないので憂慮されている。