明治一四年、明治天皇の北海道行幸を迎え、前年創立したばかりの尾札部学校生徒は、尾札部元揃昆布を謹製して献上した。
尾札部学校生徒採取ノ昆布
花折 一把 (長一丈二尺・一丈三尺ノ二枚)、行在所ニ献上シ 天覧ニ供シ奉ル
殊ノ外ノ御意ヲ賜リ 特ニ御持帰品中ニ入ルノ光栄ニ浴セリ
九月六日、明治天皇、室蘭から海路を森に行幸なさり森上陸のとき、漁民の昆布採取をご覧になる。そして、近在からの献上の品目記録の中に、「昆布ヲ上(タテマツ)リタル尾札部生徒へ、一金三円御下賜アリ」と記されている。