川汲谿谷

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尾札部村勢要覧」昭和五年版「遊覧案内」に、川汲温泉・川汲峠・川汲谿谷の三項が挙げられている。この川汲谿谷の景に「鶯澤(うぐいすざわ)、躑躅(つつじ)溪、琵琶瀧(びわだき)、澄雲崖(しょううんがい)、駒返し谷(こまがえしだに)、照楓坂(しょうふうはん)」の六景を挙げている。
 自動車道路が開通して間もない川汲山道の景勝の見所を言い得て妙である。
 町外からの来遊者が増すにつれて、川汲山道の景勝は広く知られていった。小学校教員であった小林露竹は、尾札部村の自然を、郷土の人々にも見直してもらいたいという念願から川汲渓谷の景勝に相応(ふさわ)しい名を付したのが永く愛称された。