〔大船山道〕

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 昔、臼尻・熊(大船)から大船川沿いに、赤川村・箱館へ通じる山道があった。古くから臼尻村の人達は、赤川道と呼んだ山道である。
 文化年間の箱館在近郷地図(市立函館図書館所蔵)に記されているイソヤ道と、郡界で合流していた。
 明治五年、亀田郡赤川の村民が大船越えの山道を開鑿(改修)した。ベゴ道辺まで開鑿中、山中に野宿していると大雨が降った。臼尻村の二本柳庄三郎は、山中にいる人々を気遣い、人を走らせて赤川の人びと三〇余名を家に招き、宿させたという。(青江秀「北海道巡回紀行」)。