大漁太鼓

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大漁太鼓は、昭和五三年の南茅部町の漁業開拓三百年記念事業計画のなかで実現した、新しく創作された郷土芸能である。
 この二、三年前から函館の巴太鼓や恵山太鼓、禊(みそぎ)太鼓のように青年達による太鼓の創作をと、町の青年活動のなかで望んだが、なかなか軌道に乗らなかった。
 七月実施の三百年記念祝典が迫った三月、尾札部の音楽愛好会(会長下池徹)の人達が、新しい企画として取り組んでみたいとの希望があった。
 佐藤町長の紹介で巴太鼓、禊太鼓の創作者である高橋順一に依頼して、毎夜、青年達が送り迎えをして尾札部中学校の体育館を借りて、太鼓の打ち方からの猛稽古が始まった。大太鼓三、小太鼓二、シンバルなど約一五〇万円を町で備えた。
 六月の大漁祈願祭に翌い覚えただけの太鼓を聞いてもらい、七月一日の祝典で初めて披露した。以来、その勇壮さを歓迎されて町内外での公演活動をつづけている。