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目録ID mp000159-200010
書名 尚書
書名(カナ) ショウショ
書名(ローマ字) Shosho
別書名
別書名(カナ)
別書名(ローマ字)
書名(欧文)
書名に関する注記
編著者
編著者(カナ)
編著者(ローマ字)
出版・書写者 稽古館
出版・書写者(カナ) ケイコカン
出版・書写者(ローマ字) Keikokan
出版・書写年
出版・書写年終
数量 2冊(上36丁,下49丁)
特殊な装丁
寸法
寸法(縦)
寸法(横)
材質
形態に関する注記
保存状況
縮尺
その他の注記
言語 中国語
ISBN
ISSN
主題
主題(カナ)
主題(ローマ字)
関連する地域・場所
関連する地域・場所(カナ)
関連する地域・場所(ローマ字)
関連する人物・団体
関連する人物・団体(カナ)
関連する人物・団体(ローマ字)
内容年
内容年終
内容
内容(カナ)
内容(ローマ字)
解題・説明 儒家(じゅか)の基本的古典を「経書(けいしょ)」という。経とは本来織物の縦糸のことであって,布の最も基本となるところから、聖人の教えをそれになぞらえ、その教えを記した書物を経と称している。経書のうち、『易経(えききょう)』『書経(しょきょう)』『詩経(しきょう)』『礼記(らいき)』『春秋左氏伝(しゅんじゅうさしでん)』を儒教における基本的な文献として「五経」と呼ぶ。さらに、朱子学の祖である南宋の朱熹(しゅき)は『礼記』のうち大学篇(だいがくへん)と中庸篇を抜萃してそれぞれ独立した書物とし、『論語』『孟子』とあわせて最も根本的な書物として儒教の初学に推奨し、特に「四書(ししょ)」と呼んだ。
 ここにみる『尚書(しょうしょ)』上下2冊は、弘前藩校「稽古館(けいこかん)」が教科書として刊行したものであることから、稽古館本(けいこかんぼん)(別稿参照)と呼ばれるものである。
 『尚書』は、本来単に「書」といって、中国最古の古典・史書であり、四書五経(ししょごきょう)の一つに数えられる。その全体は「虞書」「夏書」「商書」「周書」に分かれており、含まれる内容の時期は、中国古代の唐虞三代(とうぐさんだい)から春秋時代(しゅんじゅうじだい)の秦(しん)の穆公(ぼくこう)(在位B.C.659~B.C.621)に至るまでの期間にわたる。唐虞三代の「唐」は帝尭(ていぎょう)(本姓は伊祁(いき)というが、初め陶(とう)、のちに唐(とう)の地に封ぜられたため、陶唐氏(とうとうし)ともいう)の時代、「虞」は帝舜(ていしゅん)(姓を有虞氏(ゆうぐし)と称した)の時代、「三代」は夏(か)・商(しょう)(殷(いん))・周(しゅう)の三王朝の各時代をいう。
 記載内容は、中国古代の政治思想ということになる。したがって、具体的には政治の心得や実際などについて記されており、史実のほか神話的伝承も当然含まれている。儒家はその根本的命題を、君主自身が人格を陶冶し特性を発揮する「明徳(めいとく)」と、刑罰を科すことを慎重に行う「慎罰(しんばつ)」にあるとし、天下統治の普遍的法則を示す書物として尊重した。
 前漢(ぜんかん)の司馬遷(しばせん)が編んだ『史記』の「孔子世家(こうしせいか)」では、編者は孔子であるとされる。ただ、『春秋左氏伝』や『論語』に「書」からの引用があるため、編纂はそれ以前になされたものと考えられる。恐らくは、夏・殷・周・春秋の王朝に仕えた歴史官たちによって記録されたものが、何らかの形で伝えられ、長期にわたって集められて成立していったものと考えられる。儒教が国教とされた前漢以降、孔子が編纂した尚(たっと)ぶべき書、あるいは古代政治思想を記した尚(たっと)い書物ということで『尚書』とよばれ、またのちには『書経』と称されるようにもなった。儒家においては『詩経』とともに古典として、「詩書(ししょ)」と併称して、教養人必読の書とした。
 現在見られる形の『尚書(書経)』は58篇だが、その伝来や真偽については複雑な経緯がある。秦(しん)の始皇帝(しこうてい)は、始皇 34年(B.C. 213)、宰相李斯(りし)の言を容れて、官の記録や民間にあった法家・医薬・農業・占卜(せんぼく)などの書以外の書物を焼き捨て、その翌年には儒家を弾圧した。これが思想統制・言論弾圧政策として現在でも例に挙げられることの多い「焚書坑儒(ふんしょこうじゅ)」である。これを逃れるため、秦の博士伏勝(ふくしょう)(伏生)は壁の中に書物を塗り込めた。前漢の文帝(ぶんてい)(在位B.C.180~B.C.157)の時、壁中から『尚書』のうち29篇が取り出され、門人たちに教授された。当時使われていた書体である隷書体(れいしょたい)で書かれていたのでこれを今文尚書(きんぶんしょうしょ)という。
 これとは別に、儒家たちの中にも焚書坑儒を免れるために、孔子の旧宅の壁中に本を塗り込めたものがあった。前漢の景帝(けいてい)(在位B.C.157~B.C.141)の時、魯の恭王(きょうおう)が孔子の旧宅の改築をしようとしたところ、壁の中から『論語』『孝経』『礼記』などともに、『尚書』のうち56篇が発見された。こちらは戦国時代に用いられた蝌蚪(かと)文字で書かれていたので古文尚書(こぶんしょうしょ)と呼ばれ、また孔子旧宅の壁の中から出現したため孔壁古文(こうへきこぶん)ともいった。この古文尚書は前漢の武帝(ぶてい)(在位B.C.141~B.C.87)の時、孔子の子孫孔安国(こうあんこく)が読みとき、漢代に用いられた小篆文字(しょうてんもじ)に改めたが、西晋(せいしん)の末に失われた。
 ところが4世紀の初め、東晋(とうしん)の元帝(げんてい)の時、梅賾(ばいさく)が孔安国の伝えた古文尚書を見つけたとして58篇を朝廷に奉った。これを偽古文尚書といい、一方本来の古文尚書のことを真古文尚書といって区別している。唐代の初め、孔穎達(くようだつ(くえいだつ))らが太宗の勅命によって五経の注釈書である『五経正義(ごきょうせいぎ)』を著したが、この時に偽古文尚書に基づき『尚書』について注釈がつけられた。現在の『尚書(書経)』は大部分がこの『五経正義』に含まれた『書経正義』20巻にもとづいている。(千葉一大)
【参考文献】
中江丑吉『中国古代政治思想』(岩波書店、1950年)
笠井助治『近世藩校における出版書の研究』(吉川弘文館、1962年)
近藤春雄『中国学芸大事典』(大修館書店、1978年)
加藤常賢『新釈漢文大系 第25巻 書経(上)』(明治書院、1983年)
小野沢精一・宇野誠一『新釈漢文大系 第26巻 書経(下)』(明治書院、1985年)
江連隆『諸子百家の事典』(大修館書店、2000年)
尾崎雄二郎・竺沙雅章・戸川芳郎編纂代表『中国文化史大事典』(大修館書店、2013年)
解題・説明(英語)
来歴
来歴(英語)
所蔵機関 弘前図書館
原資料の所在地 弘前図書館
資料番号 通史3-165
管理記号 GK026-3
カテゴリ区分 古典籍
資料種別 漢籍
資料分類(大分類) 岩見文庫
資料分類(中分類) 稽古館本
資料分類(小分類)
文化財情報
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参照データ
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自治体史掲載 稽古館本(『新編弘前市史』通史編3(近世2) 第8章第一節)
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