弘前商工会が発行する雑誌である『弘前商工雑誌』は、昭和二年(一九二七)に店頭装飾競技会を開催した。その審査に関する記事から弘前の商店街の様子がわかる。
記者の評価によると、天井の汚れ、ショーウィンドウの硝子の汚れ、小店の道路が凹凸な点など、全般的に共通の問題点がありながらも、商店ごとに工夫が見られるという。褒められている店舗は、商品陳列の方法がよく、店に入りやすい売り場の構成になっている。一方、菓子などの食品店については、商品が食欲をそそる陳列にすべきであると評されている。洋品店については、店内の奥にまで入りやすくする照明や、保守性をうち破る陳列を実施すべきだという。
角はデパートは特に評価が与えられておらず、デパートとして当然の飾り付けとしている。