弘前相互銀行の躍進

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このような新体制のもと、行員は無尽会社時代に経験のない業務に対し、全国相互銀行協会が実施する講習会に参加するなど、各種業務を習熟しながら営業活動した。その後、業績は着実に上昇し、表24のように昭和二十九年一月の資金量純増が全国相互銀行七〇行中の第一位となった。また、契約高純増でも第七位を獲得した。
表24 昭和29年1月実績の全国ベストテン(相互銀行協会)
資金量純増金額契約高純増金額
 千円 千円
弘前相互銀行186,747①西日本相互銀行546,110
②西日本相互銀行174,955②福徳相互銀行488,640
③愛媛相互銀行140,419③旭相互銀行433,850
④福徳相互銀行138,791④平和相互銀行371,914
⑤幸福相互銀行120,700⑤幸福相互銀行242,900
⑥三和相互銀行117,927日本相互銀行216,193
⑦常磐相互銀行111,485弘前相互銀行212,550
⑧第一相互銀行103,689⑧肥後相互銀行187,157
⑨東京相互銀行97,069⑨新潟相互銀行158,484
⑩殖産相互銀行83,494⑩東京相互銀行156,870
前掲『弘前銀行五十年志』より作成。

 弘前相互銀行は発足時の昭和二十七年(一九五二)三月末、資金量が二〇億円弱であったが、わが国の高度経済成長期とともに、わずか五年後の三十三年三月末には五倍以上の一〇〇億円を突破し(表25)、東北管内の相互銀行では、盛岡市の興産相互銀行、仙台市の徳陽相互銀行に次ぐ規模の銀行へと躍進した。
表25 資金量の推移(昭和27年3月31日~昭和33年3月31日)
(単位:千円、%)
科目預金掛金資金量
期別 構成比構成比 指数
第57期昭27.3.31424,64521.31,567,52378.71,992,168100
589.30529,31721.81,896,35878.22,425,675122
5928.3.31732,90025.42,154,96174.62,887,861145
609.30803,47424.22,521,78075.83,325,254167
6129.3.311,400,02132.32,937,87267.74,337,892218
629.301,949,80233.33,269,06666.75,218,868262
6330.3.312,851,17147.23,189,09052.86,040,261303
649.302,812,64248.13,037,17651.95,849,818294
6531.3.313,125,24851.82,907,36448.26,032,612303
669.303,229,74551.53,043,09848.56,272,843315
6732.3.314,485,59055.03,668,02445.08,153,614409
689.304,587,73153.34,021,91246.78,609,643432
6933.3.315,810,15757.34,322,24942.710,132,406509
前掲『弘前相互銀行五十年志』
注)資金量は預金と掛金の合計額である。