戦後の特色現象として著しい新生児の増加が挙げられる。戦後の平和の享受と物資の増加によって、いわゆるベビー・ブームといわれる現象が起こり、それら幼児が、幼稚園教育を受ける時期となった昭和二十六年以後には、未就園児があふれるありさまであった。幼児の増加に比して幼稚園が不足で、新聞は「幼稚園浪人」や「狭き門」などと書き立てて幼稚園の増設を訴えた。
弘前市は県内の他地域に比して幼稚園は多かったが、それでも募集人員より就園申込者がはるかに多く、市民から幼稚園増設を望む声が挙げられていた。その要望にこたえて弘前市内に次々と幼稚園が設置される。