建設業の動向

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それでは、こうした事業所数と従業者数が示す産業の内実はどのようなものであったのかを、前掲の弘前市の事業所統計によって、主要な産業の動向の内部に立ち入って検討してみよう。まず、建設業から見ることにしたい。
建設業の事業所数は、昭和四十七年から五十年にかけて一二・二%、五十年から五十三年にかけては一三・四%と増加しているが、従業者数は昭和五十三年から五十六年には五・五%減少した。この従業者数の減少は、災害復旧工事、東北縦貫道工事の完了に伴う景気の後退により総合工事業が減少したためであると考えられる。一方、職別工事業、設備工事業では従業者数が増加している。また、従業者数の構成比の推移をみると、総合工事業は昭和五十年に六五・二%、五十三年に六四・四%、五十六年には五六・三%と低下を続けており、職別工事業はそれぞれ一九・六%、二〇・八%、二五・三%と上昇傾向にある。
 昭和六十一年の建設業の事業所数は六四八、従業者数は六二七七人で、昭和五十六年に比べると、事業所数で六〇(一二・二%)、従業者数で一〇七五人(一四・六%)滅少している。同年について、産業中分類別に事業所数をみると、職別工事業が二七八事業所で建設業全体の四二・九%を占め、総合工事業が二四七事業所(三八・一%)、設備工事業が一二三事業所(一八・〇%)となっているが、総合工事業は昭和五十六年の三二二事業所から二四七事業所と七五事業所(二三・三%)減少している。昭和六十一年の産業中分類中の従業者数をみると、総合工事業が三三八〇人で建設業全体の五三・八%を占め、次いで職別工事業が一六一四人(二五・七%)、設備工事業が一二八三人(二〇・四%)となっており、総合工事業の減少(七六八人、一八・五%)が大きい。
 昭和六十一年から平成三年にかけては、事業所数で四四(六・八%)の減少、従業者数で四五三人(七・二%)の減少となっている。産業中分類では、事業所数では総合工事業の減少が大きく、従業者数では職別工事業の減少が大きい。
 以上に見たように、建設業については事業所数は、弘前市の事業所数全体の動向と同じく、昭和五十六年まで増加し、以後減少したことがわかる。従業者数はこの間調査のたびごとに減少している。