「すべては出発したあとに考える」という状態で発足した新制中学も、十周年を迎えるまでになった。しかし、十周年記念式典や記念行事を、各校ごとに計画実施するには、時期、施設および資金の面で無理があるということから、市内一七校が合同式典を計画、昭和三十二年七月四日市営競技場(現弘前公園レクリエーション広場)において、創立十周年記念合同式典及び弘前地区中学校総合体育大会を実施することになった。式典は四日午前八時半、市営競技場に約八〇〇〇人の生徒と一〇〇〇人の観衆と来賓を集め、盛大に挙行された。
創立十周年といっても、校舎の整備が十分でないころであり、会場の関係もあって、毎年実施している中体連の行事に併せ、ささやかながら合同の式典を祝ったものであろう。式典では、学校発足以来各中学校教育の推進に功があったとして、神山隆文(一中・弁護士・元弘前市議会議長)ほか七八人が、笹森弘前市教育長から感謝状を贈られた。式終了後市内一〇会場に分かれ、相撲、柔道、排球、籠球、卓球の各競技が展開されたが、市村合併間もないころとあってか、各競技は、新市・旧市別に実施された。