昭和五十五年、弘前電波高校は電子科の定員を減じて自動車科を新設した。六十年には情報科設置が認可になった・電子科一科からスタートした「弘前電波」は、ここに至り三科を擁するまでに拡充され、六十一年四月、学校の実際に合わせて弘前東工業高校に校名を変更した。それと同時に、詰め襟の制服をダークグレイのスーツに改め、人心一新を図っている。
弘前東工業高校には、普通校舎のほか、産業教育実習棟が複数あり、新しい技術の進歩に対応した若いエンジニアを養成するための施設、設備が整備、充実している。電子科、情報科、自動車科も、時代の最先端にある技術や情報の基礎的な知識を学び、技術処理の応用力を身につけるための配慮がなされている。また、情報科設置に伴い、LANを導入したパーソナルコンピューターを設置し、毎年のように更新して現在に至っている。
弘前東工業高校の教育方針には「人間尊重の精神に徹し、教師と生徒は啐啄(そったく)同時、ともに豊かな人間性と個性の伸張に努める」とある。すべての教育活動において教師と生徒が一体となって技術革新に励み、親睦を図るという基本姿勢にそのことは表れている。重点目標の一つにも「モータリゼーション・自動化・情報化社会にあって、エレクトロニクスの多様な技術革新に柔軟に対応する能力を身につけさせ、地域の発展に寄与する」という一項が明記されている。