新図書館の建設

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市立図書館は弘前市制施行百周年記念施設として、下白銀町二番地一(追手門広場内)に設置され、平成二年(一九九〇)七月一日に開館した。建物延べ面積四九二二・七七平方メートル。事業費は一九億八〇〇〇万円。施設内容は地下に書庫、BM書庫(移動図書館)、中央監視室、その他機械室等があり、一階に貸出し閲覧室、点字読書室、ロビー、事務室があり、二階には調査室、読書学習室、視聴覚室、特別書庫、会議室がある。また、三階には読書学習室が設けられている。
 図書館は市民への情報提供や生涯学習の場であり、市民の文化的要求にこたえるため、図書館資料の収集に努めるとともに、広く市民の利用に供し、地域の教育、文化および産業に寄与することを目的に活動している。また、移動図書館車による図書の貸出しも盛んである。特色としては、藩政時代の古文書・絵図等多くの貴重な郷土資料を所蔵、公開していることで、史料館的機能も併せ持っていることである。
 なお、新図書館が建てられた追手門広場には、明治三十九年(一九〇六)から昭和六年(一九三一)まで図書館として利用され、その後民間の所有となっていた棟梁堀江佐吉の手になる初代の市立図書館が、元の地へ移築、修復された。明治と平成の図書館が同一の敷地に並び建つ光景は、あたかも弘前の図書館の歴史を語っているかのようである。