平尾魯仙(ひらおろせん)(文化五-明治一三 一八〇八-一八八〇)は安政二年(一八五五)六月に函館に赴き、西洋人について調査し、
音楽についても記述している。「船から聞こえてくる
音楽は笙(しょう)・ひちりき・笛・太鼓の音がして美しい。
音楽は娯楽のためばかりでなく、軍楽としても用いる」と記している。また楽器についても、当時としては考案されたばかりのアコーディオン(一八二一年にドイツのブッシュマンが発明)の構造を詳しく書いている(図22参照)。おそらく、津軽人で初めて
洋楽を耳にし、記述したのは魯仙であった(平尾魯仙『洋夷茗話』青森県立図書館郷土双書三、青森県立図書館、一九七〇年)。
図22 アコーディオン