解題・説明
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藤堂藩の伊賀城代藤堂采女元甫が中心となって編纂した伊賀・伊勢・志摩三国に関する地誌『三国地志』の附図28枚のうちの1枚。 枅川から下神戸の山腹にかけて築かれた丸山城の概略図。本丸に織田信長の三男信孝の名前が記されているが、城郭の修築を行ったのは、伊勢北畠家の家督を継いだ二男の信雄とされる。この信雄の築城を脅威に感じた伊賀衆が城郭を攻撃したことで、丸山城は天正伊賀の乱緒戦の舞台となった。 本図に描かれた城跡の概況は、郭の大まかな形状や配置、天守台の位置など、現地の状況を一定程度反映している。また、近世の段階ですでに伊賀国の重要な城跡と認識され、図化されていたという意味でも貴重である。 上野市古文献刊行会が翻刻刊行している。
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