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解題・説明
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上野城及び城下町の様子を描いた絵図である。侍屋敷(柿色)・町屋(黄色)・鉄砲組屋敷(青色)・堀(浅黄色)・寺院(墨色)を用途別に彩色して示し、侍屋敷には各区画に居住する藩士名を記載している。町屋は街区単位の表現が基本で、具体的な町名の記載はない。本図は、伊賀文化産業協会所蔵の慶安元年(1648)から2年頃の状況を描いたとされる城下町絵図と凡例の表記が同一で、城代屋敷や御屋敷の写実的な建物の表現も類似している。ただし、記入された藩士名のごく一部に差異があり、例えば伊賀文化産業協会所蔵絵図には、本図で空欄となっている丸之内(馬場前)の区画に石田清兵衛、寺町の上行寺に隣接する区画に桑名弥次兵衛下屋敷の記載がある。一方で、念仏寺に隣接する区画への箕浦藤兵衛鉄砲組屋敷の記載は本図のみである。以上のことから別に原図が存在し、双方の絵図が模写されたことなどが想定できるが、原図や模写についての記録は確認されていない。
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